しま はちねこの本棚

雑多なジャンルについて感想など綴っております。

光る君へ 第三十五話 「中宮のなみだ」感想

息づくお心の内を 帝にお伝えなされませ。

 

御岳詣に赴く一行、BGMのマーチがその行路の険しさを表しています。あの曲は初めて聞いた気がしますが、まるで古代ローマで乱を起こしたスパルタクス団のような男気と迫力のある曲で良いですね。今までなかった肉体労働シーンが見られる旅路に期待に心が弾むようでもありました。

 

断崖絶壁を登る俊賢、足を踏み外した途端に………

アーーーッ帽子がーー!!

これは恥ずかしい。帽子は今で言うパンツみたいなものです。それが脱げるということは、絶体絶命の瞬間ではありますが、痴態を晒している状況です。

あなや……。

 

俊賢の手を掴み断崖から引き上げる頼通くん、

 

ファイトーー!いっぱーつ!!!

 

一昔前の有名なCMの言葉が聞こえてきそうでした。

いや、明らかにオマージュでしたよね(笑)。

NHKなのにそういうことしていいんだ(笑)。

 

帰路では、道長くん、俊賢をはじめいちばん年若い頼通でさえやつれていて、御岳詣での過酷さを物語っていました。

天候も足場も悪い中、最後まで命を賭してまで御岳詣に行った一行たちの信念が見えました。

とはいえ今回の祈願の目的は帝と中宮の間に御子が生まれるために、まずそもそもお渡りがありますようにって、実質 帝のお気持ち次第ですよね。天候なんかと違い、人の手の及ばないことではないですから。帝が藤壺に行くかどうかは帝次第です。

からしたら……プレッシャーだったでしょうね。自分が藤壺に行かないばっかりに、時の左大臣が命をかけて御岳詣に行くのですから。帝がぁまのじゃく(スマイレージオタクなのであえてこう書きます。誤植ではありません。)だったら裏目に出ていましたよ。

 

 

そして帰路では、まーた伊周くんはそうやってすぐに道長くんの命を狙うんだから。

それと比べて隆家くんは道長に寄り添う行き方を選んでいますね。

大人しく定めを受け入れること、隆家くんだって簡単なことではないのですよね。彼だって家の再興を諦めてはいないはずです。

それでも兄の手をこれ以上汚さないようにとの想いは、何よりも家族の愛があってこそでした。

伊周くん、君にはまだ大事な弟がいるよ。子供もいるよ。家族を大事にしよう。

伊周くんに想いが伝わる日はくるのでしょうか。

 

 

場面変わって道長くん、帰ってすぐに無事を報告したいのはまひろちゃん。娘のつぎは、まひろちゃん!!報告する人たちはその順番で合ってますか??

 

モデル本人がいちばん最初の読者として該当のシーンを読む姿を見れるなんて、作者冥利につきますね。

二人にしか分からない言葉で、二人にしか分からない思い出を共有する。

これ以上ない愛の伝え方ですよね。

 

不義の話について深掘りする!?!?

賢子のルーツ話す!?

と思いきや。気づいたのか気づいてないのか、道長くんあまり触れずに帰っていかれました。

え、ここまで言って気づかないこと、あるかねぇ!?!?!?

気づいたとバレてしまうと、あの時約束したそれぞれの道で高みを目指すことを違えることになるからなんでしょうか。

それとも単に疲れて眠かったんでしょうか。

後ろ姿からは、出来立ての巻を印刷に回す優秀な出版担当の様子しか読み取れませんでした。

 

一度物語になってしまえば、我が身に起きたことなど霧の彼方。

 

どこまでが誠でどこからが偽りなのか。事実が混ざっていると境界が分からなくなるものですね。

 

 

 

昔のことなのかなぁ〜〜????

 

いつまでも手のかかる弟くんはいつもヘラヘラしながら、どこまで知っているのか判らない発言をしてきます。けど憎めない!うーんいい立ち位置です。

けれどまひろちゃん、あんなに隠しているつもりだったのに今となっては家族に全て知られているの恥ずかしいですね。

まひろちゃん、弟のことを叱りながらもこれはいいネタになるぞ!とか思っているんでしょうか。

宮中での暮らしはやはり刺激的でまひろちゃんにとっていい環境のようですね。

 

 

最新巻の読み聞かせを終えて、

 

 

光る君の 妻になるのがよい。

なれるように しておくれ。

 

若紫と自分を重ねてしまう彰子さま。

帝と幸せになりたいんだと自分の気持ちをまひろちゃんにこぼします。

自分の気持ちを直接伝えては、と言ったそばから帝のお渡りとは、なんとほどよいタイミング。

ゆっくり間合いを詰めて、まずは源氏物語の最新刊についてのお話など、共通の話題から………。などと思った瞬間に

 

「お上を お慕いしております」

 

 

 

ここかい!!!!!

唐突に言うじゃん!!!!

 

みんながあの予告気になってたよ!!!

決死の告白、それなのに

帝はなんでそこで

「あっ……また来るね………。」

とか言うの!?

いま!いま抱きしめてほしかったよ。

彰子さまが顔を歪めてぽろり ぽろりと溢す朝露のような涙に胸が痛みました。

 

 

ああ、縁が絶えてしまったかと思ったその直後

 

御岳詣のご利益、あったーーーーー!!!!

 

不穏BGMめ!もう!お渡りあるんじゃん!!

 

キョトンとした彰子中宮さまの可愛らしいこと!

ああ可愛いなぁ。

 

お渡りの道すがら、雪を見て、おそらく定子さまを思い出しておられましたのよね。

雪遊びをしたこと、香炉峰の雪について話したこと。笑っておられた定子さまの顔。

いちばん楽しく純粋で満ち足りていた頃だったでしょう。

これからの冬は、彰子と寄り添い合うことを決め、あの頃と決別したようにも見えました。

もちろん定子さまが大切で愛しい存在であることはおそらく今後も変わりませんが、前に進む決意をされたのでしょう。

それほどまでに強い縁だった定子さま、改めてあっぱれと言うべきか、素晴らしいお人柄だったことを思い返します。

そんな一条天皇に最もお似合いの曲は、こちらです。↓

松浦亜弥さんで、「- YouTube想いあふれて」

 

この先も思い出すでしょう あんなに愛していたこと

大切で守りたいよと 泣いた日があったこと

思い出なんかはほしくない あの頃に戻りたい

 

とってもいい曲です。

 

 

 

寂しい思いをさせてすまなかった。

 

そう言った一条天皇に答えるようにきゅっと帝の着物を握った彰子さまのこれまでの不安が分かって、いつの間にかわたしたちも親の気持ちになっていたのやも、しれません。

よかった。本当に。

 

 

最近は道長くんとまひろちゃん、二人で月を見上げることが増えましたね。二人の一番欲するものはあの頃から同じで、月のように手が届かないものではあるのですが、帝を藤壺に呼び寄せるプロジェクトの共同作業を行ってきて二人の大事な彰子さまが幸せを手にした瞬間は、やっと同じ願いが叶ったような達成感がありました。それも世代が変わろうとしている中で得た、道長くんとまひろちゃん二人の新たな幸せのかたちかもしれません。

つぎはふたりで何を目指そう。

 

 

そして予告!

おぉっ!?お久しぶりの夏はサマー!ファーストサマー清少納言さまですか!?

 

草子を読みたいと言ったまひろちゃんと立場が逆転しますのね。

未だに薄墨色のお召し物で定子さまを想っている清少納言源氏物語を読んでどう思われるでしょうか。

二人の仲は史実通り違えてしまうのでしょうか。

 

個人的には公任様の若紫はおいでかな!のシーンめちゃくちゃ楽しみです。

 

来週も気になるシーンがたくさんです!

それではまた次回の記事で。


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